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「リコーのアジャイル」への質問を、”アジャイルに”聴いちゃおう!

こんにちは、リコー公式「みんなのデザイン思考とアジャイル」事務局のハヤシです!

昨今注目されている「アジャイル」ですが、学びを進めていくといろんな疑問が湧いてきませんか?

アジャイルを取り入れているリコー社内で先日実施したイベント「組織を芯からアジャイルする『リコーのアジャイル』とは何か」でも、参加者からたくさんの質問が上がってきました。

今回は、そのQ&Aセッションの内容の中から、「アジャイルの理解をもう一歩深めたい!」という方に役立つポイントをピックアップしてお届けします。


質疑応答もアジャイルに

〜講演中にチャットとWhiteboardを駆使して、質問を受け付けました!〜

「みんなのデザイン思考とアジャイル」の活動としては、はじめての社内イベント。講師には、日本におけるアジャイルを牽引する人物であり、リコーのDXエグゼクティブでもある市谷さんを迎えました。せっかく皆さんお忙しい中イベントに参加していただいてるので、可能な限り聴講している方々にとっても有意義な時間にしたい!ということで、事務局メンバーで検討した結果、講演中に質問を受け付け、講演後に市谷さんにその場で質問に答えてもらおう!という企画をしました。

しかも今回はMicrosoft Whiteboard(デジタルコラボレーションツール)を活用して、デジタルに質問を付箋に書いていくという試みに挑戦しました。これまでもTeamsのチャットで随時質問受け付けというのはやっていましたが、大規模なイベントで新しいツールを使ってみるという、正にアジャイルなチャレンジです。

「300人以上が同時視聴するイベントで、同時にWhiteboardに入ってちゃんと動くのか?」
「Whiteboardを使ってQ&Aセッションを回せるのか?」
という不安もあり、事務局メンバーで議論を重ね、一度は初回のイベントでしくじりたくないよね、やっぱり止めようか…という話にもなりましたが、

「いや!アジャイルマインドに則り、まずやってみる!何かあったらそれは学び!次に活かそう!」

ということで、結果的にはWhiteboardを活用したQ&Aセッションを行いました。いただいた質問にすぐに回答する、まさにアジャイルなワークショップになりました!

Microsoft Whiteboardを活用している様子のスクリーンショット
Microsoft Whiteboardで質問を書き出している様子


質問にアジャイルで回答してくれた市谷さんはこんな方です!

市谷 聡啓の画像
▲市谷 聡啓(いちたに としひろ)/デジタル戦略部 CDIO付DXエグゼクティブ・株式会社レッドジャーニー 代表 サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、自らの会社を立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。


アジャイルに対するみんなの疑問

ここからは、当日に上がってきたQ&Aの中から5つをピックアップしてご紹介していきます!(※一部はQ&Aセッション中に回答しきれず、後日回答のものも含まれます。)

ピックアップした質問と市谷さんの回答はこちらです!!

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①やっぱりアジャイルはソフトウェア開発でしか使えない?

【質問】
メカ系の開発分野では、アジャイルは難しいと感じている方が多いと思いますが、どのように推進すればよいでしょうか? 

市谷:変えられない部分もあると思います。ソフトウェアにおいても、実際には現実的に変えられない部分もありますよね。デスマーチになるので。

変えられない部分が出てくるタイミングは、メカ系の方が早いかも知れませんね。そのタイミングがいつ来るのかが重要で、そこを捉えて、それまでにどれだけアジャイルを取り入れて実験できるのか?だと思います。

人間の意思決定や行動は変えやすいので、スクラムでマネジメントしていくという動きはできるのではないかと思います。

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②たくさんの合意や調整、重いプロセスがあると、アジャイルって難しくない?

【質問】
プロダクトを世に出そうとすると、実際にはたくさんのステークホルダとの合意・調整が必要だったり、プロセスが厳重だったりして、フィードバックループを高速回転するにあたって、組織構造やルールが妨げになることがあると感じることがあります。(もちろん良いこともあるのですが)

リコーアジャイルにおいて、どのあたりが重要な課題となってそうか、具体的な勝ち筋みたいなあたりのご意見をお聞きしたいです。

市谷:突破口は「ふりかえり(レトロスペクティブ)」にあると思っています。

ふりかえりは、ある期間の仕事を棚卸しして、何が良かったか課題だったかを共通認識をつくって協力してやっていくという取り組みのことです。良くなるきっかけ、チャンスをつくることが大事です。

毎週毎回、結果が出せるわけではないですが、チャンスだと確認できるタイミングがあるということは、毎度良くなるタイミングがあるということです。点検してより良くするための工夫をつくる。そこを起点にしてやり方を変えていければよいと思います。

ふりかえりは一人からでも始められますよ。

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③ふりかえりは知ってますが、「むきなおり」って何ですか?

【質問】
ふりかえりと合わせて「むきなおり」という言葉が出ていましたが、なじみがないのでもう少し教えてください。

市谷:「むきなおり」はまだ歴史が浅いです。

ふりかえりは「過去を扱う、過去を見て現在を正す」ことです。

むきなおりは「先を見る」ことです。そこに到達するには、いまやってることがこれでよいのか?を見ます。

目標を置いていたがやっぱり違う、達成しても仕方が無いということなら、ではこっちの方角では?とむきなおって、正していくのです。

むきなおりは、ある程度のタイムボックスを切って実施する(2週間だと短いかも。1ヶ月とか)。変えていくというメンタリティは重要ですが、あまり頻繁ですとあっちこっちと振り回されますので、ある程度の間隔を持ったタイムボックスでみていくのがよいと思います。

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④PDCAって時代遅れ?OODAになるの?

【質問】
PDCAサイクルが時代遅れとなり「OODAループに置き換わってきている」と最近耳にしました。
OODAループの考え方がアジャイルの考え方と似ていると感じたのですが、捉え方は合っていますでしょうか?

市谷:PDCAが時代遅れという論調は確かにあります。しかしタスクマネジメントの基本はPDCAです。

ポイントは「これから始める仕事は、どの程度探索が求められるか」であり、どれくらい目的や目標が明確になっているかによります。

目的や目標があいまいであればOODAは効いてきます。その一方で、PDCAは仕事の基本であり、構想を実現するための術であり、ものごとをしっかり終わらせるための手段です。

PDCAはもう古いという一面だけで放棄すると、仕事が終わらない、結果が出ないということに陥るでしょう。また、1人2人で仕事をするにはまだよいですが、チームで仕事をするとなればチームの行動を合わせるより所が必要です。

計画は、「どれくらいの時間をかけて仕事に取り組むか」の共通認識になります。仕事というのは、計画的か探索的かを両極端に分けられるほど単純ではありません。度合いをもって取り組み方を決めましょう。1つに頼らず、選択肢を持ちましょう。

※事務局補足:PDCAとOODAについての同様の解説が、市谷さんの著書「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」に説明があります。

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⑤成功事例が知りたい!

【質問】
デザイン思考+アジャイルで成功した事例(自社他社とわず)を知りたいです。

市谷:組織的に両輪でやっているところは少なく、聞いたことがないです。リコーでやったことが世の中的に新しい事例になりますよ!

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いかがでしたでしょうか。
リコーは、組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます!

市谷さん、聴講いただいたリコーグループの皆様、ありがとうございました!

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「みんなのデザイン思考とアジャイル」事務局 林