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デジタル人材育成のための「リコーデジタルアカデミー」1年やってみてどうだった?

こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営のオクダです。
昨年4/1に「リコーデジタルアカデミー」という、デジタルサービスの創出や加速を担うデジタル人材をリコー社内で育成する学びの場をスタートして、そろそろ1年が経ちます。

デジタル人材の育成は一朝一夕にはいきません。リコーでも様々な取り組みが行われ、このnoteでもその一部を公開しています。今回は「リコーデジタルアカデミー」で行った研修を振り返り、その成果や課題についてまとめてみたいと思います。

リコーデジタルアカデミーは、デジタルサービスの創出や加速を担う人材を育成する学びの場です。

データサイエンス、クラウド・アーキテクチャ設計、デザイン思考、アジャイルなどの研修が提供されており、受講生はオンラインの自己学習教材やワークショップを通じて学びを得ています。
私たちも事務局として参加し、デジタルビジネスを学ぶオンライン研修(全6講座)を自分たちで作り上げ、基礎研修には1年を通じて本社、関連会社から選抜された約270名が参加しました。

研修内容は以下の通りです。

デジタルビジネスファンデーション(デジタルビジネス基礎研修)
・リコーアジャイル研修
・デザイン思考のマインドと流れを知る
・デザイン思考をひととおり体験するワークショップ(1Day)
・リコーアジャイル実践ワークショップ(1Day)
・新規事業を始めるためのガイドライン説明
・領域や技術から新たな価値を探索するワークショップ(1Day)

リコーアジャイル研修資料の一部
デザイン思考をひととおり体験するワークショップ(1Day)資料の一部

開校から1年後の満足度は...?


基礎研修終了後、受講した270名を対象にアンケートを実施しました。
結果は、満足度:96%(大変満足した53%、まぁまぁ満足した43%)、受講後の活用度:68%(充分活かせている12%、少し活かせている56%)となりました。

満足度は高いのですが、活用度に関してはまだまだ十分ではないようです。

今回の研修を活用しているシーンとしては、
・新テーマ企画、事業創造活動​
・DXによる新規サービス検討​
・顧客視点での開発​、顧客ヒアリング
・新製品のマーケティング、発売準備​
・機能仕様の検討​
・試作の検討、実施結果の評価

などの回答があり、様々な職種や場面で具体的に活かしていただいています。これはとてもうれしいです!

成果と改善ポイント


このアンケートでは、受講生から多くのコメントが寄せられました。

ポジティブなコメントとしては、
実際の業務の施策立案を実行し、素早くプロセスを回すことができた
顧客起点で価値を探索するようになった
顧客の声をより意識するようになった」
「まずやってみるというように、取り組む意識や姿勢が変わってきた」

といった内容が多く、デザイン思考やアジャイルの手法を取り入れて実践できていること、マインドが変わり視点も変化していること、それらを日々の業務にも活かしていることが伺えます。


一方、今後改善できそうな点についてのコメントとしては、
一度受講しただけでは使いこなせなかった
現在の既存事業中心の業務と適合しない面がある
アジャイルやスクラムは仕事が増える、なぜやらないといけないの?と言うメンバーとの熱量の差があり、やりにくい

といったものがありました。

考え方ややり方を理解できたとしても、実践にまで落とし込むには苦労している受講生もいること、せっかく学んでも活かすための実践の場がないと感じている人がいるということがわかりました。

受講生は、所属部署全員ではなく個人単位で受講しているため、この研修を受講していない上司や同僚とのマインドの差も課題となっているようです。

確かにデザイン思考やアジャイルは、スピードとイタレーションがポイントとなり、目標に向かって試行錯誤の連続なので、楽ではないと感じる人もいたり、腹落ちしていないと負荷を感じたりすることも・・なかなか一筋縄ではいかないです。

これらの指摘ポイントについては、私たち提供側でも工夫する必要がありますし、部署や会社全体としても仕組みや環境をさらに変えていくことが必要です。
その一環として、「上司の理解を得られていない」「マネージャーにも教育してほしい」という要望には、すでに組織職向け研修を導入しました。

こうした受講生や各部門からの声を参考に、自分たちの振り返りを踏まえ、来年度は「実践に活かせる」内容、さらに「受講者の環境」に対しての施策を考えていきます。

受講後のフォローアップや、業務に直結する課題解決の研修など、より実践的な内容を充実させることで、受講生たちがより活かしやすい学びを提供できるように取り組みます。現在具体的に検討し始めていることは下記の3点です。

1.実践しながら学べる場や研修の提供
2.  実践のために一人にならない仲間づくりを支援
3.  個人ではなく組織、チームへの箱型研修

まとめ


1年間研修を継続的に行った結果、受講者には確実に学びがありました。マインドも変わり、一部は実践もできている人もいます。

一方で、社内のデジタルサービスを創りだす環境はまだまだ十分ではなく、さらに改善すべき点がたくさんあること、その具体的な課題や次の一手をどこに打つかを検討できるようになったことも、大きな前進といえます。

リコーデジタルアカデミーをきっかけに自分事としてデジタル人材に必要な知識やスキルを身に着け、デジタルサービスの創出をめざしていただきたいと思います。私たち事務局もコミュニティを活用することでさらに支援していきます!

デジタル人材育成に興味や悩みのある企業、個人の方々、コメントいただき繋がれたらうれしいです!

リコーは、組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。

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