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リコーアジャイルを自ら実践してカイゼンする!チーム運営を組織スクラムでやってみた 後編

こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営の林です。リコーアジャイルを自ら実践し、チーム運営を組織スクラムでやってみたレポートの後編です。

前編はこちら↓

前編では組織スクラムを行う準備について書いてきました。ここから本格的にスクラムのイベントの実践について書いていきます。


スプリントプランニング


運用方針や共通認識などの準備が整い、次はそれぞれの活動にオーナーを設定しました。スクラムの役割でいえばプロダクトオーナーの位置づけになります。
私は2.の「リコーアジャイルの普及浸透と実践の仕組み作り・浸透指標作り」のプロダクトオーナーになりました(※本来はスクラムマスターと兼務はしない方が良いです)。

年間の目標と活動を決められる範囲で決め、まずは5月度のゴールを決めました。
5月度のゴールを達成するために、オーナーとしてやりたいことを「組織バックログ(アジャイル開発でいう「プロダクトバックログ」に相当するもの)」として積み上げました。
その積み上げた組織バックログをベースに、2週間のスプリントで実施したいことを「スプリントバックログ」としてタスクを分解していきます。

タスクの分解については、本来はメンバーと一緒に 行うのですが、始めたばかりなのでまず私の方でやってみました。分解の仕方タスクタイトルの入れ方完了条件の設定の仕方などをやって見せ、いずれメンバーにもお願いしていこうと思っています。

プランニングのタスクを自社製バックログツール「WorkTo」で見える化


デイリースクラム

 まだアジャイルの熟練度が高くないチームでの「デイリースクラム(朝会)」は、スクラムのプラクティスの中でも早くからその価値を享受できるプラクティスです。

 デイリースクラムで毎日短時間(15分)、朝の時間に話をします。基本はリモートワークなので、チームのメンバーはこの時はパソコンのカメラ機能をオンにして顔を合わせます。まずは軽い雑談と調子などを伺い、昨日やったこと、今日やること、起きている問題をクイックにシェアします。

 デイリースクラムは朝会という言い方をしますが、朝に拘りません。一日一回、チームのメンバーが顔を合わせて短時間でも会話をすることが大事です。

実際、メンバーのみんなは「デイリースクラムで毎日顔を合わせて今日やることを確認することで、タスクのやり忘れが軽減されたり、対話頻度が増えて関係性が強くなった感じがする」と言っていました。

活動初期にどう関係性を深めていくかという、チームビルディングの観点でもかなり効果があったと実感しています。最初は毎日顔を合わせるのは負荷になるかなと不安でしたが、実際にやってみて良かったプラクティスでした。

毎朝、カメラオンで顔を合わせます

スプリントレビュー

2週間のスプリント期間が経過した時点で、「スプリントレビュー」を行います。

スプリントレビューでは各人のタスクの結果を共有する場を設けます。突発の業務やトラブル、自分でコントロールできない前工程の状況で進まなかった等の完了しきれなかったタスクもありましたが、ほとんど多くは「対応済み」の状態のタスクとなりました。初回のスプリントとしては上々の出来です。

タスクの進捗はデイリースクラムでも簡単に確認したり、2週間の中間地点で状況から優先度を変更したり、スプリント内では実施しないタスクを決めたりするタイミングも用意しており、2週間で対応できるタスクを常時調整していました。その甲斐もあって、スプリントレビューの段階で未対応や対応中の残タスクがたくさん残ってしまうということはありませんでした。

スプリントレビューの場で「対応済み」のタスクが完了条件を満たしていて、きちんと完了していることが確認できたら、そのタスクはめでたく「完了」という状態に移行します。

このとき、対応済みから完了へのタスクの移動はタスク担当者に自らやっていただき、チームのメンバー全員で拍手します。このようにして小さいタスクであっても達成感を味わうことで仕事へのモチベーションを維持し、スクラムはタフな活動だけど、やりがいがあって楽しく働けるものだと感じてもらうようにしています。

ふりかえり(レトロスペクティブス)

 2週間で対応するタスクの結果をスプリントレビューで確認できたら、最後に重要なイベントが一つ残っています。それが「ふりかえり」、通称「レトロ」と呼ばれるイベントです。

ふりかえりは、スプリントでやってきたことをふりかえり、次のスプリントに向けてのカイゼンアクションを出し合っていく場になります。このふりかえりを実施するためのフレームワークもリコ芯TFで開発しており、それを自分たちでも活用してふりかえりを実施しました。

自分たちで開発したフレームワークといっても、ベースになっているのは昔からあるKPT(Keep/Problem/Try)によるふりかえりです。さらにTryの部分がStart/Stop/Continue(はじめること/やめること/続けること)と、実施するアクションを分けて出すような形になっています。

Miroを使って、オリジナルのふりかえりフレームワークで実施

ふりかえりで出てきたカイゼンアクション全てをやるのは、大きな負担になってしまいます。そこである程度アクション項目が出てきたらみんなでハートマークで投票をして、優先して実施するアクションを決めていきます。
 
初回のふりかえりで私が一番嬉しかったのは、TryのContinue(続けること)に出した「組織スクラム運営」に、みんながハートマークを置いてくれたこと。本当にスクラムをはじめてみてよかったなと感じました。

ハート、いっぱいいただきました!

まとめ

ここまでスクラムによるチーム運営の流れを紹介してきました。チームの皆にはよく付き合ってくれたと感謝の気持ちしかありません。慣れていないときにはなかなかタフな活動なので反対意見もあるかなと思ったのですが、このままスクラムを続けてみたいという意見をいただいたので、しばらくはスクラムで運用していこうと思います

もちろん同じやり方を今後も漫然とやるわけではなく、課題や新たな提案があれば、積極的にスクラムによるチーム運営をカイゼンしていきます!

 そして我々タスクフォースのメンバーが、リコーの中でのスクラムによる組織・チーム運営の見本となれるように、続けていければと思っています。 

リコーでは組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。noteを読んでくださっている社内外の人たちと知見を交換できると大変嬉しいです。これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。

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