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手を動かして自分の考えを形にすることで自分軸を鍛える!モノづくりの祭典「つくる~むフェスティバル2023」とは

こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営のホンミです。
先日、「あつまれ!つくる人!」というスローガンで、モノづくりを楽しむ個人や有志グループたちが自慢の作品を持ち寄るお祭りを開催しました。その名も「つくる~むフェスティバル2023」
 
私は社内メイカースペース「つくる~む海老名」の運営でもあります。この記事では、プロトタイピングを通して自分軸を鍛えるという視点から「つくる~むフェスティバル2023」をお伝えしたいと思います。

※リコー内メイカースペース「つくる~む海老名」とは
つくる~む海老名は、3Dプリンター・レーザーカッター・カッティングマシンなどを筆頭に、各種機材や工具を取り揃えた社内のものづくりFabスペースです。
手を動かしながら考える社員を増やし、イノベーションを創出できるマインドを醸成することを目指し、2020年より活動しています。


自分軸を鍛えるアプローチ

なぜビジネスにおいて自分軸が重要とされているかは、このnoteでも何度か言及してきました。
以前の記事で、自分軸を鍛えるアプローチとして「対話型鑑賞」を紹介しましたが、今回は「手を動かして自分の考え、こだわりを形にする」というアプローチを紹介します。

MITメディアラボのシーモア・パパートは「コンストラクショニズム」という考え方の中で、「人間は、手を動かしながらモノを作ることで、自分の中に内在するイメージや心理を構築することができる」と主張しています。

ノースウェスタン大学のGerber博士らは、プロトタイピングを実施することで「創造的能力に対する信念の強化」「失敗を学習の機会として認識可能に」「前進する感覚のサポート」という効果があることを示しました。

IDEOのトム・ケリーとデヴィット・ケリーは「創造力に対する自信を持つ人々の特徴の中で、私たちがもっとも感心するもののひとつといえば、傍観者ではないという点だ。(中略)彼らは能動態の世界に住んでいる。自分で自分の人生の台本を書くことで、周囲の世界により大きな影響を与えている。」と述べています。

これらを参考に、自分軸を「創造力を持ち、自分の頭で考える力」と解釈すると、プロトタイピング(=手を動かして自分の考え、こだわりを形にすること)は、その鍛え方のアプローチとして有効になりそうです。

さらに、私見ですが「手を動かして自分の考え、こだわりを形にする」に加えて「他者からフィードバックを受ける」という要素があると、より効果は高まると思っています。

形にしたものを良いと思ってくれる人が自分以外にもいる、というのは非常に重要です(二人集まればパーティだって誰かが言っていました)。そして「手を動かして自分の考えを形にする」人に刺激を受け、他の人にもそういったマインドが広がると、会社がもっと面白くなってきそうです。

手を動かして自分の考え、こだわりを形にする人を集めてみた


というわけで、「あつまれ!つくる人!」のスローガンのもと、「つくる~むフェスティバル2023」を開催してみました。
一般のイベントですとMakerFaireNT***が有名です。コミケのモノづくり版、というとイメージ湧きやすいかもしれません。普通の社内イベントは部署やプロジェクト、研究テーマの成果発表会なので、今回のような個人や有志グループの展示会は珍しいものになります。


当日の様子

今回はコンテストやLT(Lightning Talks)といった企画が5点、多種多様なブースが35点集まりました。

開発した製品と連携するガジェットを作ってみたり、今流行りの画像生成AIを構築して体験できる状態に仕上げたり、趣味の革細工や竹竿を展示したり…
業務に関係ありそうなものから流行りのテクノロジーを使ったもの、個人的なこだわりに振り切ったものまで様々でした。

一部を紹介していきます。

企画:3Dピコ水力発電大会(主催:WEeeT-CAM)
自作のプロペラ、モーターを使って、少ない水力での発電量を競う大会です。
さすがエンジニアの集団。プロペラそのものはもちろん、水路の形状を変えたり、効率良く発電できる電気回路を構成したり、各自工夫を凝らして主催者の想定以上の電力を生み出していました。

ブース:画像生成AI
画像生成AI環境を構築した展示で、その場で適当なポーズの自分の写真をイケオジに変換してもらいました。
流行りのテクノロジーがこうやって体感できる状態になるとぐっと身近に感じられます。

ブース:コミュニケーションロボット、スタックチャンをつくってみた
マイコンと3Dプリンターでつくるカワイイだけのコミュニケーションロボット、スタックチャンを有志が作り集合させました。大勢のスタックチャン達がコミカルに動き回る様子がとても可愛かったです。カワイイだけと言いつつ、実はちょっと頑張るとchatGPTと接続できたりして高機能になったりもします。

ブース:3つの工具で始めよう! ~はじめてのレザークラフト~
レザークラフト、いいですよね。でも最初に揃えるもの多そうで大変だな、と思っていましたが、工具3つで始められるなら、とハードルが下がりました。ちなみにレザークラフトは他にも2点出展がありました。人気ですね。

イベントの目的と出展者/参加者の声


今回開催した「つくる~むフェスティバル」の目的は、イベントに参加することで出展者/参加者が刺激を受けること。そのために主催側は、手を動かして自分の考え・こだわりを形にする人を集め、出展者に他者からフィードバックを受ける機会を提供することが大事になってきます。

出展者、参加者からは以下のような感想が集まりました。

これ程エモい社内イベントに参加したのは久々でした。主催者(つくる~む運営)だけでなく出展者・参加者の皆さんの熱量の高さを存分に感じることが出来ました。Maker Faireのような雰囲気だと思いました。」

思わぬ形で野望の仲間ができた。チームメンバーがチーム外からの意見を聞く機会が得られた」

「オンラインイベントとは違って、直接見に来てくれた人に体験してもらったりその場でディスカッションすることができるので、出展する側の人にとってもとてもメリットのあるイベントだと思いました。」

「会場がエネルギー溢れる感じで、自分もこんなもの作ってみたいと思いました。」

「活気があって出展者の皆さんが生き生きしていたのが印象的でした。好きなことを自発的にやるのが大事なんだなと再認識しました。」

「参加者の皆さんが、自分が熱中して作った物を生き生きと説明しており、楽しさを感じました。 素晴らしいアイデアで、よくこんな物を作れたなと感心させられる物ばかりでした。 色々な作品に触れる機会をいただき、ありがとうございました。」

目的達成できていますね!そしてイベントを通して、手を動かして自分の考え・こだわりを形にすることは、自分軸の鍛え方のアプローチとして有効だということに確信を深めることができました。

ちなみに来年ももちろん開催します。今から来年が楽しみです!

「手を動かして自分の考え、こだわりを形にする」で自分軸を鍛える

 変化の大きなVUCA時代、ビジネスにおいて自分の頭で考える「自分軸」がますます重要になってきています。さらにリコー社内では、デジタル人材に必須のデザイン思考においても重要なことだと認識しています。

デザイン思考は顧客の潜在ニーズを探るアプローチですが、本当に必要とされているニーズは顧客自身もわからないことが多く、私たちは潜在ニーズを探り、想像していくことになります。その時必要となるのが「自分軸」です。

 「自分軸」が無いと顧客のニーズを想像することはできません。仮説検証やユーザーヒアリングとは一見かけ離れたことに思えますが、「自分軸」を鍛えておくこともデザイン思考を活かす重要な点だと考えています。そしてその「自分軸」を鍛えるには手を動かして自分の考え、こだわりを形にすることが有効です。

ぜひ手を動かして自分の考え、こだわりを形にし、「自分軸」を鍛えることにチャレンジしてみてください。デザイン思考を活かすことにも、はたらく歓びにもつながっていくでしょう。

リコーでは組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中しています。noteを読んでくださっている社内外の皆さんと知見を交換できると大変嬉しいです。

これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。

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