あなたはどれだけ知ってる!?デザイン思考のツール & メソッド 【デザイン思考・洞察編】
こんにちは。リコー みんなのデザイン思考とアジャイル PRチームです。
デザイン思考のツールは多く存在しますが、みなさんは普段どんな手法を活用していますか?本記事では、リコーで用いられているデザイン思考のツールやメソッドをご紹介したいと思います。
その数なんと50以上!も存在する各プロトコルでのツールや手法は、目的や用途を理解し、適切にプロジェクトに組み込むことができれば、よりよい価値提供やソリューションが可能になります。
・よりよい手法を模索している
・プロジェクトにデザイン思考の手法を取り入れてみたい
・普段の業務やチームの連携に変化を起こしたい
などの課題を抱える方の参考になれば幸いです。
この記事では、「デザイン思考」の「洞察」に活用できるツールとして、11種類の手法をご紹介します。
デザイン思考・システム思考・共創思考
リコーではサービスやプロダクトの開発・改善において、ユーザーの求める価値を定義するために、デザイン思考とシステム思考を用いることを推奨しています。これは1度きりではなく、何度も繰り返し試行錯誤しながら本質的な価値を見出していきます。
さらにこうしたプロジェクトをチームで実践するための場づくりとして、共創思考や実践も重要です。
デザイン思考、システム思考、共創思考にはそれぞれさまざまな手法が用いられ、下記はそのうちの一例です。
みなさまはいくつ使ったことがあるでしょうか?
それでは「洞察」に活用できるツール11種類の手法を見ていきましょう!
デザイン思考【洞察】のツール①行動観察
「行動観察」とは、生活の場・仕事の場・作業の場などにおいて対象者の行動を観察し、定性的に事実をとらえ、新たな発見や洞察を得るリサーチ手法です。
無意識下での行動や暗黙的なパターンなどを観察によって抽出し、ユーザーの潜在ニーズや課題を発見することを目的とします。
デザイン思考【洞察】のツール②フィールドワーク
「フィールドワーク」とは、研究や観察対象となっている人たちが生活・活動している場所を実際に訪れ、その対象を直接観察したり対象者にインタビューやアンケートを実施したりして、現地での情報収集を行うことです。主に異文化の理解や研究、客観的課題発見のために用いられる手法です。
デザイン思考【洞察】のツール③インタビュー
「インタビュー」は商品やサービスを利用しているユーザーに対し、質問を重ねながら意見を聞き取るリサーチ手法です。1対1で行ったり、グループで行ったりと形態はさまざまです。
ユーザーインタビューでは対象者のニーズや課題を深掘りし、ユーザー本人ですら気づいていないニーズや行動の理由を明らかにすることが目的となります。
デザイン思考【洞察】のツール④KJ法
「KJ法」は文化人類学者の川喜田二郎がデータをまとめるために考案した手法。データをカードに(1カード1情報)を記述し、カードを分類しながら共通の価値観を洞察します。さらなる創発的発見やより深い洞察を得ることを目的としています。
デザイン思考【洞察】のツール⑤KA法
「KA法」は、ユーザーの生の声から「出来事(実際の行動や体験)」「心の声」「判断に用いた価値観」まで分解し、インサイトを探る手法です。
一つ一つの出来事をより詳細に分析し、ユーザーに対する共感や理解を深めることを目的としています。
デザイン思考【洞察】のツール⑥エスノグラフィー評価
「エスノグラフィー調査」は、定性調査の一つで、文化人類学や民俗学の分野で用いられてきた手法です。調査対象とする人・集団と一定期間生活を共にすることで、対象者の文化や生活への理解を深めることを目的としています。対象と同じ目線に立つことで行動の背景を理解し、問題やニーズを発見することを目指します。
デザイン思考【洞察】のツール⑦HCD(Human-centered design 人間中心設計)
「HCD=人間中心設計」は、人間(ユーザー)を中心としたモノづくりを指します。「もの」ではなく「ひと」を中心に課題点を洗い出し、開発するプロセスです。国際規格により下記6つの原則が定められています。
デザイン思考【洞察】のツール⑧カスタマージャーニーマップ
「カスタマージャーニーマップ」とは、ユーザーが商品を認知して購入・体験するプロセスを、行動パターンや思考・心理状態などを項目ごとに可視化し、分析するためのフレームワークです。チームでユーザー像を共有し、気持ちや課題を理解することを目的としています。
デザイン思考【洞察】のツール⑨上位下位関係分析
「上位下位関係分析」とは、インタビューや観察から得た情報をもとに、ユーザーが「心の中で本当に希望していること=本質的なニーズ」を掘り起こす手法です。インタビューなどの定性調査から得られた事象を最下段に置き、それらをグルーピング・抽象化しながら、中段でその目標を分類・分析、それらをさらに最上位にまとめることで、バラバラの情報を統合し理解することを目的としています。
デザイン思考【洞察】のツール⑩バリューグラフ
「バリューグラフ」は、ある製品やサービスなど検討対象の「そもそもの目的や価値」と、その目的や価値を実現する代替案を構造的に考える手法です。提供価値に至るまでの本質的な目的の理解や、その周辺に存在する既存の手法などを含めて俯瞰的に分析することを目的としています。
デザイン思考【洞察】のツール⑪バリューラダー
「バリューラダー」はより本質的な価値を明らかにするために用いる手法です。「なぜ?」という問いをくり返すことでより根源的な目的や価値に迫ります。本質的な価値を可視化することで、チーム全員で共有し、ブレることなく提供価値やコンセプトを作ることを目的とします。
次回は「デザイン思考【解決】」に活用できる手法をご紹介!
いかがでしたでしょうか。この「ツール & メソッド」はシリーズとして、次回はデザイン思考の「解決」に活用できる手法をお届け予定です!
リコーは、組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。
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