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【後編】実践者から学ぶ「組織が自律的に変わる・動く」ための仕組みとは?
こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営チームです。
私たちはデザイン思考やアジャイルの学習&実践の場として、セミナーやワークショップイベントを定期的に開催しています。
今回は「組織が自律的に変わる・動く」をテーマに、登壇者をお迎えし開催しました。お二人にご登壇いただいたイベントだったため、前後編でお届けしています!
前編はこちら↓
登壇いただいたのは、お客様価値向上に向けてこれからの営業のみらいを考える「みらいデザインLab.」の活動を推進する、リコージャパン株式会社の青木 郁馬さんと、プロジェクト推進支援サービスを提供する株式会社コパイロツト 共同創業者の定金 基さんです。それぞれ、組織・チームの変化に向けた取り組み事例とその手法についてお話しいただきました。
後編では、プロジェクト推進支援サービスを提供する株式会社コパイロツト 共同創業者の定金 基さんによる「小さな習慣の変化から組織を変える プロジェクトをドライブする会議のやり方」についてお届けします!
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組織はチームの習慣によって変化する
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叡啓大学 産学官連携・研究推進センター 教授
1975年岡山県生まれ。製造業ファクトリーエンジニアを経て 2005年株式会社コパイロツト創業。 デジタルマーケティング・DX・新規事業開発などのプロジェクトを
リーダーの副操縦士としてプロジェクト推進を支援。
自社のプロジェクト推進メソッド・クラウドサービス開発では自らリード役を担当する。
叡啓大学では主に、広島の企業の新規事業立ち上げ推進と支援、
プロジェクトベースドラーニングの促進、叡啓大学と東京の企業を連携し
双方に新たな価値の創出などに携わる。
コパイロツトは、プロジェクトリーダーのサポートを通してプロジェクト推進を支援する会社。「これまでの現場での実践で、ボトムアップでチームや組織が変化していく経験をたくさんしてきた」という定金さんに、その事例のひとつを実践的なノウハウも交えてお話しいただきました。
プロジェクトチームには“自律性”が不可欠
まず前提として、現代のプロジェクトは「アジャイル」という言葉に代表されるように、変化が大きく予測不能です。そんな状況の中で、プロジェクトチームでは多様なメンバーがそれぞれに独立して動くといったような、メンバーの自律性が必要な時代になってきています。
また、これまでの経験からプロジェクトの進め方が組織に自律性をもたらすと考えられるため、定金さんは「習慣をいかに作るか」に注力したサポートを行っています。
今回のイベントでは「自律性を生む習慣」によって変化が見られた具体的な事例をご紹介いただきました。
自律的で習慣的な新しいプロセスを、プロジェクトマネージャーへの支援を通して複数のチームに導入した事例です。
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この組織は当初、リーダーだけが頑張っており、メンバーはただ”こなす”だけのプロジェクトになっていました。また複雑で予測しづらいものだったため、不安感が蔓延していたそうです。
そこで定金さんたちコパイロットの皆さんは、Project Sprint の仕組みを用いてこの課題に取り組みました。
その結果、導入前は「自分主導で引っ張っていかなければ」とコメントしていたプロジェクトマネージャーから
「得意な人に任せることができるようになった」
「難しく感じることもあるが、試行錯誤していこうと思う」
など、マインドの変化を感じる声があがるようになりました。
その他にも、「いろんなことが把握しやすくなった」「メンバーに相談しやすくなった」「不慣れなことにも向き合えるようになった」といったポジティブな感想が多く出てきたそうです。。
特に注目したいのが、リーダーシップのあり方の変化でした。
リーダーシップには様々な形があります。この会社ではメンバーそれぞれに自律性が生まれたことで、一人のリーダーが主導するのではなくリーダー・メンバー全員が双方向に影響力を及ぼしあったり、リーダー・フォロワーが状況に合わせて入れ替わったりするリーダーシップの形へと変化が見受けられるようになりました。
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石川 淳 (著)中央経済社 より
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以前はリーダーが一方的に指示しなければメンバーが動けなかったところから、領域を横断して自分の責務ではない部分も担当するメンバーが出てきたり、今までプロジェクトリーダーがやっていたことをメンバーが受けるようになったりといった変化があったそうです。
プロジェクトをドライブする定例会議の全体像
そのような自主的・自発的な行動が起こるような組織に変わっていくには、具体的にどのようなアクションを取れば良いのでしょうか?
定金さんから、取り入れやすい定例会議を中心に解説していただきました。
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自律的な組織にするためには、以下の3段階のプロセスが必要不可欠になります。
1. 定例会議でタスクが出され、行った活動からアジェンダが提案されるという流れを短期的・定期的なサイクルで繰り返すこと。
2. プロジェクトがどこに進むのかというストーリーや、メンバーの役割や期待値といった「共通了解」の状態を作り続けること。
3. 定期的に改善すること。
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定金さんは、プロジェクトを進めるためにまず重要なことは「とにかく出力すること」と言います。
活動の結果得られる気づき・違和感・ひらめきなどをアウトプットすることが非常に重要なのです。
なぜなら、その気づきなどをチーム内で対話することによって、自律的な関係を作るために大切なメンバー間の「信頼」が醸成されるからです。
そして次に、チームが何を目指してるかをメンバー間で認識を揃えること。
「このプロジェクトは変更が多いし定義しづらいから」といって曖昧にしておいたり、「とりあえず仮説があった方がいいだろう」という考えで無理やりな予測をしたりせず、目標をシンプルに、短く、小さく設定することをおすすめします。
ポイントは
・共有しやすいものにして、定期的に更新して形骸化しないようにする
・それをいつでもどこでも閲覧できるような状況にする
・週次や月次でシンクするタイミングを定期的に設ける
・とにかく各々が独立して自律的にやっていける状況を作る
ことです。
イベントでは、ここからさらに詳細な仕組みや気をつけるポイント、具体的な進め方を丁寧に教えていただきました。
そして定金さんから最後に、
「チームはプロジェクトの習慣的な行動で変化し、そのチームの影響を受けて組織が少しずつ自律的になっていくと思っています。実践を通してチームから組織に影響を与えた事例をいくつも見てきましたし、お伝えした内容は組織にとっても変化の可能性がある方法だと思っています。」とまとめていただきました。
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本イベントは170名もの方にご参加いただき、終了後のアンケートでは高い満足度となりました。
「ちょっとした工夫で大きく変化するのだなと学びました。特に大事なのはアウトプットであり、ゴール(あるべき姿)を共通でもつことがとても大事ですね」
「人の心を導く方法論的なヒントが沢山あり、どんな世界でも応用できそうな学びがあった」
「小さな習慣の変化から組織を変えるプロジェクトをドライブする会議のやり方については、疎結合で、小さく、短くサイクルを回す点、一人がファシリテートするのではなく、協働でリーダーシップを発揮していく点など、新たな視点を得ることができました」
など、実践的な内容に満足し、実際に取り入れてみたいというご感想をたくさんいただきました。
ぜひ、皆さんの組織が変化するための一歩を踏み出すきっかけとして、参考にしていただけると嬉しいです。
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リコーでは組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。noteを読んでくださっている社内外の人たちと知見を交換できると大変嬉しいです。
これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。
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