見出し画像

難しそうに見えて意外に簡単!?マイコンを使ったプロトタイピングワークショップ体験記

こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営のオオゼキです。

皆さんは「マイコン」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
電子工作について詳しくない方は、半導体むき出しの、緑色の基板をイメージする方も多いのではないでしょうか。

私も例にもれず、専門知識が必要でハードルが高いという印象が先行していました。一方で、使いこなせればプロトタイピングに役に立つ、とも思っていたのでマイコンに対しての興味はずっとありました。

※今回使うのはこのようなイメージとは異なるのです!

デザイン思考やアジャイルにおいて、プロトタイピングは重要な要素の1つです。
リコー社内でも、仮説検証においてプロトタイプを早く作り、早く検証することの重要性が説かれています。

ソフトウエア開発のプロトタイピングではFigmamiro、PowerPointなどを活用してアイデア検討をすることも多いですが、フィジカルな(ハードウェア込みの)プロトタイピングというと、敷居が高く感じることもあるかもしれません。

そんななか、社内メイカースペース「つくる~む海老名」でプロトタイピングに使える「マイコンワークショップ」が開催されるとの情報が。これは好機!とばかりに参加してきました。

※リコー内メイカースペース「つくる~む海老名」とは
つくる~む海老名は、3Dプリンター・レーザーカッター・カッティングマシンなどを筆頭に、各種機材や工具を取り揃えた社内のものづくりFabスペースです。
手を動かしながら考える社員を増やし、イノベーションを創出できるマインドを醸成することを目指し、2020年より活動しています。


ワークショップの流れ

今回のワークショップの目的は、マイコンをプロトタイピングに活用する方法についてゼロから基礎レベルまで学び、プロトタイピングの手間を減らし質を向上させるためのヒントを得ることです。マイコンとセンサーは事前に配布され、ワークショップはオンラインで行われました。

ワークショップは、今回のプロトタイピングに使うマイコンの紹介からはじまり、環境構築、動作の確認を兼ねて定番プログラムであるLEDの点滅(通称Lチカ)を導入、といった流れで進みました。

2時間という短時間のワークショップでしたが、表示画面へ文字列「Hello world」の表示、距離センサー(ToFセンサー)を使った測距プログラムの作成、最後にスマホブラウザからのマイコン制御と、ひと通りの演習を実施。
見るだけではなく、実際に自分でプログラムを入力しマイコンを動かしてみると、これなら自分でも何か作れそう!とモチベーションが上がります。

M5StackとUIFow

使用したマイコンはM5Stackという種類で、手のひらにすっぽり収まるとても小型のものです。小型ながら液晶画面も備えており、かつ半導体むき出しの基板ではなくカバーに覆われています。ボタンの数も最低限で、まるでおもちゃのような触り心地。これだけでもだいぶハードルが下がります。

また、今回のプログラミング環境はM5Stack社のUIFlowを使い、ブロックを組み合わせてプログラミングをしました。UIFlowは文章を作る感覚でコードを書けるので、プログラミングをほとんどしたことがなくても始めやすいです。

マイコン、どう使う?

距離を測定するToFセンサーやマイコン内部の角速度、加速度を検出するIMUを触ってみると、プロトタイプに使えそうなイメージが湧いてきます。誰かが近づいたことを検出したり、ドアなど動かすものに貼ってその動作を検出したり。その結果を画面に表示したり、音や光で知らせたり、モーターを動かしたりすることでいろいろなギミックを再現できそうです。

最後の演習では、スマホのブラウザに画面を構築し、ブラウザの操作をマイコンに反映させる実演もありました。マイコンの操作だけでなく、スマホ上のUI構築も同時に簡単にできるとあれば、活用の幅はぐっと広がるなと感じました。

これらの仕掛けや人の操作を組み合わせれば、あたかも製品やシステムが動いているかのように見せる「オズの魔法使いプロトタイプ(ウィザード法)」にも使えそうです。

フィジカルなプロトタイピングに対するハードルをぐっと下げてくれる

プロトタイピングにはスケッチ、アイデアシート、フロー図、スキット(寸劇)など、色々な種類があります。必ずしも決まった形のものを用いる必要はありません。
しかし、今回マイコンに触れて実際に手を動かしてみて、ディスプレイの操作、wifi/BT等の無線ネットワークとセンサー、モーターを使ったプロトタイピングへのハードルはぐっと下がりました。

この方法なら、今後のプロトタイピングの重要な選択肢としてフィジカルな体験も考えていけそうです。お手軽に価値検証の幅の広がりを感じられる、たのしいワークショップでした。
せっかくマイコンに触れる機会を得たので、私もこの夏休みになにかものづくりに挑戦してみたいと思います。

電子工作から離れていた方、これまでなんとなく自分には無理かなと触れて来なかった方も、こういった敷居の低いガジェットを入口にして、プロトタイピングの幅を広げてみてはいかがでしょうか。

リコーでは組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中しています。noteを読んでくださっている社内外の皆さんと知見を交換できると大変嬉しいです。
これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。

このnoteが参考になった!また読みたい!と思ってくださる方は、ぜひログインしなくても応援を送れる「スキ!」を押してくださいね。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!