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内発的動機づけの爆上がり体験をしたStartupWeekend静岡

こんにちは、みんなのデザイン思考とアジャイルの運営メンバー、大関です。今回は、先日個人的に参加してきたイベント「Startup Weekend 静岡」であらためて実感した、「当たり前に言われている大事なこと」についてお話します。 

みなさんは、Startup Weekendというイベントをご存知でしょうか。週末の短い時間でスタートアップをリアルに体験できるイベントで、公式サイトによると、以下のように説明されています。

“スタートアップウィークエンド(SW)”は、金曜夜から日曜夜まで54時間かけて開催される、「スタートアップ体験イベント」です。週末だけで参加者は、アイディアをカタチにするための方法論を学び、スタートアップをリアルに経験することができます。

https://nposw.org/about/

先月末、私はこのイベントに参加してきました。きっかけは参加経験のある友人に誘われたという受動的なものでしたが、参加してみると「新規価値創出をするために当たり前に言われている大事なこと」を改めて体感する、貴重な経験ができました。


3日間でピボット2回!圧倒的なスピード感と安全な挫折

今回のイベントには、静岡県内外から社会人・大学生・高校生と、多様な方々が約40名ほど参加していました。ほとんどの方がはじめましての状態で、たった1分のアイデアピッチの情報を頼りにアイデアを絞り、チームを組み、活動を開始します。

初日はほぼチーム分けで終わり、最終日は15時からピッチなので、実質作業時間は1日半と少し。私の所属したチームは、この短期間の中でピボット(アイデアそのものから変更する)を2回も経験しました。

今回のチームは「食」という点で共通する2つのアイデアを持ったチームが一緒になっていました。1度目のピボットはアイデアをまとめ上げるとき、「ターゲットを誰にしたいか」で意見が分かれ、方針転換。2度目は起業家・コンサルの専門家のコーチングを通じていただいた結果から、アイデア自体を見直すことにしました。顧客の広がりや製品の価値を言語化できず、市場性においてJカーブの成長曲線を描けなかったことが大きな要因でした。

結局、2日目の夕方からアイデアを何にするか再構築し直すことに。翌日の午後にはピッチをしていなければならないのに、こんなことで間に合うのかと思いましたが、その日の夜には街に出てインタビューを実施、翌日の午前で結果を考察しながらブランドイメージを固めて資料を作成し、午後にピッチの練習を行い、何とか間に合わせることができました。

今思えば、3日目にピボットしないまでも、もう少し方向転換を考えても良かったかなと思うほど。これを会社で検討していたら、やれメンバーの合う時間がない、もう少し検討が必要だ、などと何倍もかかっていたと思います。

ピボットするには勇気が必要ですが、初期段階で深く速く検討した結果のピボットは、失敗や後退ではなく前進なのだと改めて強く感じることができました。なぜなら商品にならない段階では、お客様にご迷惑をかけているわけでも、ましてやだれかを傷つけたりだれかに危険が及んでいるわけでもないからです。

ピボットや仮説の再構築は「安全な挫折を繰り返し、自分たちのしたいことへの理解を深めていく」行為であると思えたら、これまでのアイデアに固執する必要はないよな、と肩の力が抜けました。チームとしても成長できるし、個人としても視野が広がり、どんどん楽しく夢中になる。本音ベースの徹底議論と思い切ったピボットが、結果的にメンバーのモチベーション維持に繋がることを、あらためて実感しました。

街に繰り出せ!とにかくアクションして成功体験を積みあげよう

No Talk, All Action.」―これはスタートアップウィークエンドの中で、何度も繰り返された言葉です。意味は議論しているだけではなくて行動しよう、会議室から出よう、ということで、デザイン思考を学んでいればこのマインドは強く共感できるものです。しかし、言うは易く行うは難し。私のチームが街に繰り出せたのは2日目の19時近くになってからでした。

仮説検証のために、街に繰り出して道行く人に声をかけます。アイデアに対しターゲット顧客をある程度絞っていたため、ジムのインストラクターやスポーツショップの店員さん、駿府公園で運動している人を中心に声をかけ、仮説検証インタビューを実施しました。街頭インタビューなんて断られて当たり前と思っていたのですが、今回は街中で話しかけて、無視せずに少しでも応答してくれた方は6組中5組、割合にして8割以上。見向きしてくれるのは10人に1人くらいかなと想像していたので、これは意外な結果でした。
もちろん多少訝しがられることはありましたが、最初に自己紹介と目的をご説明して手短に聞きたいことを伝えると、多くの方に親切に答えていただくことができました。単純に幸運だったこともあると思いますが、行動してみないと結果はわからないものだと驚きました。

そしてインタビューして良かったことといえば、必ず何かしらの成功体験を獲得できるということです。「話に応じてもらえた」「アイデアに良い反応をしてもらえた」成功例はもちろん、「話しかけたが断られた」「アイデアが響かなかった」など一見失敗に思えるようなことも、「まずは声をかけることができた」「予想外のことが引っかかっているとわかった」等、こちらの経験や気づきにつながることばかり。これらがチームの自信とモチベーションを大きくし、行動を起こしやすくしていく。全員が街に出たことで、会議室で議論に終始しているときよりもよりチームが明るく協力的になったように思います。

原点を見つめて取り組み、ストーリーを共有しよう

今回、幾度となく行った意思決定とピッチのフィードバックを通して、強く感じたことがあります。それは新しい価値を創出するうえで、自分はなぜそれをやりたいと思っているのか、その原点が本当に大事だということです。組織に所属していると、本当に自分がやりたいことなのか、信じ抜けることなのかを軽視しがちですが、それを突き詰めることが思っている以上に重要でした。

個人的なストーリーが語られ、共感できると、それはチームの原動力となり、ピッチでの説得力を上げる大きな助けになります。同じアイデアでも動機が語られるだけで、語られる前とはぜんぜん印象が違ってきます。逆にそこが弱いとチームとして一枚岩になり辛かったり、説明していても価値を感じてもらえませんでした。

しかし、評価されるポイントが必ずしもアイデアの原点と一致するとは限らなかったのも、興味深かったです。今回のピッチでは、助けたい人以外の課題も同時に解決するアイデアにしたところ、そこが高く評価されたチームもありました。どうしたら三方良しの、複数の人にとって価値のあるものになるか。常にベストを目指し続けなければなりません。

デザイン思考・アジャイル的な行動が、内発的動機付けを強める

今回、「当たり前でわかっている」はずのデザイン思考・アジャイル開発のベースとなるマインド/行動原則の重要さを、あらためて自分の身をもって体験することができました。

たとえばそれは多様な人が集まり、本音で議論をすること。他者の反応やアドバイスを受け入れ、素早く向き直ること。街に出て、人々の声を聞き、気づきを得ること。これらの行動がすべて、メンバーやチームの内発的動機付けを強めていくことにつながっていました。

自らの考えやこだわりを示すことで、評価を受け入れることで、行動を起こし体験を重ねることで、自信がつき、取り組み自体が面白くなる。内発的な動機を存分に引き出し、自分を見つめ直す機会と価値創出の楽しさを思い出させてくれた濃密な3日間でした。ぜひ皆さんも、デザイン思考とアジャイル的な行動を実践しながら、自分の内発的動機と向き合ってみてください。

リコーは、組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。

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