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【イベントレポート】インハウスデザイナーによる「わずか2時間でデザイン思考を知る​​​​​​​ワークショップ」

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こんにちは、リコー公式「みんなのデザイン思考とアジャイル」事務局のオクダです!みんなのデザイン思考とアジャイルプロジェクトの一環として開始したリコーの社内イベント(Day1~4)をご紹介しています。今回、Day3は社内デザイナー百瀬明さんの「わずか2時間でデザイン思考を知る​​​​​​​ワークショップ」です。

ワークショップファシリテーター 
百瀬 明(モモセアキラ)
株式会社リコー デジタル戦略部 i.work 主催

百瀬明のイラスト

経歴
2019年~|i.workイノベーティブな事業創出に取り組む自走人材にデザイン思考ワークショップを提供し続けて支援する i.work を主催。実践の結果、デザイン思考は多様な業務の多彩なシーンで活用されることを確認し、毎日のように継続的にデザイン思考を学習できるプログラムを画策中。
2016年|デザイン思考組織立上げ日本メーカーがデザイン思考の導入をはじめた頃、デザイン思考をベースにした新規事業を専門とするデザイン室を発案し室長として立ち上げた。
2000年~|戦略的なデザインディレクションプロダクトデザイナーとしてスタートし、その後、10数年間、デザイン戦略とリコー商品群のブランドイメージを作り上げた。

百瀬さんはデザイン思考のジェダイマスターみたいな方で弟子のデザインメンバーとともに日々新しいワークショップを開発し、年間延べ1000名のグループ社員が受講しています(私も弟子の1人です)。今回のワークショップは、百瀬さんが2018年ごろから社内の希望者を対象に開催している、デザイン思考の基礎が学べるワークショップです。すでに20回開催、600名の方が受講している人気のワークショップです。
今回「みんなのデザイン思考とアジャイル」イベントでも登壇していただきました。

「わずか2時間でデザイン思考を知る​​​​​​​ワークショップ」とは

デザイン思考をはじめて学びたい方が、世の中やリコーの導入事例を通してデザイン思考のマインドや流れを学ぶことができるものです。ワークショップのゴールは「業務や日常に使える”気づき”を見つける」と設定しています。

ワークショップといってもレクチャーを聞きながらチャットで質問ができ、常にアドバイザーから回答がもらえるので、気軽に理解を深めることができます。この辺も一般的なワークショップのような緊張感がなく受講しやすいことが人気のポイントかもしれません。

内容についてはデザイン思考の基本になりますので詳細は説明しませんが、チャットワークを活用した講座の進め方や受講者の反応などを知っていただけるとオンライン講座開催のヒントやデザイン思考への理解を深める参考になるかと思います。

プログラムの流れと内容

デザインの基本を解説しながらチャットワークで質問/回答、またクイズを出してチャットで回答するなどインタラクティブに進めていきます(資料は一部のみ掲載しています)。

全体のワークショップの流れは以下のようになっています。

「わずか2時間でデザイン思考を知るワークショップ」の流れ 
 0.なぜ、デザイン思考が必要なのか?
 1. デザイン思考とは?[ 定義 ]
 2. みなさんの業務とデザイン思考は何が違うのか?
 3. 社内と世の中の事例
 4. マインド10
 5. プロトコル
 6. スキルとツール

それでは、各セクションについて簡単に説明していきます。

0. なぜ、デザイン思考が必要なのか?
本人も気づいていない潜在ニーズのうち、「体験によって得られる価値」の発見にはデザイン思考が役に立ちます。不確定要素の多い現代においては必要なマインドと行動です。

1. デザイン思考とは?[ 定義 ]
人や社会の潜在価値を見つけ、新しい手段を創出するために、モノゴトを体感し、人に共感・想像し、モノゴトの本質を洞察し、創造的な試行錯誤をすることです。

2.  みなさんの業務とデザイン思考は何が違うのか?

デザイン思考と違う点はマインド

今までの創出/改善プロセスとの違いは主にマインドです。プロセスには大きな違いはないですがマインドは大きく違います。こういう比較は分かりやすいですね。

3.  社内と世の中の事例
デザイン思考の各企業の導入事例、社内事例を紹介、事例を知りたいとの要望は多いです。

4. マインド10

10のマインドの解説図

  デザイン思考に必要なマインドの解説です。デザイン思考に必要なマインドとして、各フェーズに応じたマインドが合計で10つ示されています。「多彩な人と関わる」「楽しむ」というマインドはどのフェーズでも共通して必要なものです。そして各フェーズに応じて、「分厚く知る」「まず受け入れる」「共感する/想像する」「手で考える」「気づく(本質追求)」「価値を書く」「たくさんアイデアを出す」「早く小さく失敗して改善」のマインドを大切にして実行していくと、デザイン思考が深まっていきます。

5. プロトコル

ウオーターフォール型プロセスとイテレーション型プロセスの比較図

ウオーターフォール型プロセスとイテレーション型プロセスを使い分けます(このイテレーション型プロセスがアジャイルとデザイン思考の共通点ですね)。デザイン思考を機能させるにはフラットな組織 など、会社の仕組み自体の変革も必要です。

6.  スキルとツール
デザイン思考の各フェーズで使うスキルとツールの紹介です。

以上が「わずか2時間でデザイン思考を知る​​​​​​​ワークショップ」になります。

ワークショップ受講者の声

このワークショップは毎回、満足度が高く、今回も多くの方に満足していただけたようです。またアンケートのコメントは今後の浸透活動の施策ネタにあふれています。

満足度、達成度のグラフ

コメントも一部ご紹介します!


■デザイン思考の理解について
・デザイン思考の基礎や、有効的な活用、進め方などがおぼろげながら理解できた。
・今回のWSではマインドの話が主だったのが、他にはあまりないのでよかったです。今後そのマインドと業務をどう結びつけるかをより具体的に知りたいと思いました。
・デザイン思考を万能と考えていない点について共感した。デザイン思考とアジャイルが従来の思考や手段に置き換わるイメージがあったが、適正な使い分けが必要という考えと理解した。

■デザイン思考を実践できるか
・デザイン思考の考え方は、非常に取り入れたいと感じているが、行動に移せる移せない、できるできないなど、仕事内容でさまざまな環境の為、勧めるに関しては微妙です。
・わかりやすかった。ただ自分に置き換えて同じ行動ができるかは、?です。

■組織やマネージメントの課題
・フラットな組織であればデザイン思考は有効だと思いますが、現業はトップダウンのヒエラルキー組織に所属しているので、現業の中でデザイン思考を使って仕事をする場面は限られていると思いました。
・心理的安全性が確保されている気心が知れた同僚に限定されると思いますが、気心の知れた同僚に限定すると多様性に欠けるというところが悩みどころです。
・私の職場では未だ古典的な業務改善プロセスが主流です。マネージャー、リーダーにこそ受けて頂きたいと思いました。

■チャットワークについて
・チャットワークで、「読み上げられると嬉しい」という気持ちを覚えました。こういう進め方もいいなと思いました。
・大事なポイントをチャットに流してくれるのでそれがとても助かりました。
・参加者が自由に意見を書き込むことで、同じ場所にいなくても同じ空間を共有している感じがしてよかったです。またいろいろな立場のリコーグループの方々が参加していることにつながりを感じられて、なんかよい感じでした!

まとめ

今回は、社内デザイナーの百瀬さんの2時間でデザイン思考の概要が理解できるという、社内では定番のワークショップでした。
みなさんの満足度、理解度も高く好評でしたが、自分事として実践するには組織環境の整備や、さらなる学習の必要性を多くの方が感じているようです。文化、風土として根付かせる、社内浸透にはまだまだ壁がありますね。この辺は今後の課題として取り組んでいきたいと思います。

次回のお知らせ

次回は、「コミュニティからはじまる全社変革、富士通DXを支える「やわらかデザイン」とは? 」というタイトルで富士通の加藤さんとみんデジャメンバーとのトークセッションのレポートをお届けします!

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「みんなのデザイン思考とアジャイル」事務局 オクダ


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