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デザイン思考やアジャイルの参考になる、おすすめビジネス書籍7選/2022年秋

こんにちは。リコー みんなのデザイン思考とアジャイル PRチームです。
2022年も早いもので9月。読書の秋がやって来ましたね。

私たちチームは、noteでの情報発信だけでなく、社内セミナーやワークショップ、コミュニティ運営などを実施して、デザイン思考とアジャイルをリコー社内に浸透させる活動をしています。そんな私たちも、日々失敗と成功を繰り返しながらデザイン思考とアジャイルを学び続けていて、書籍から学びやヒントを得ていることも多いです。

そこで今回は、デザイン思考やアジャイルの知識を深めたり幅を広げたり、多面的に理解したりするのに参考になった書籍をまとめてみました。チームメンバーおすすめ書籍を7冊紹介していきます!


ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門

広告会社の営業でキャリアをスタートした後に、クリエイティブディレクターに転じた著者が、一般のビジネスパーソンに向けて「クリエイティブ」を解き明かしてくれます。クリエイティブと呼ばれる、うさん臭くもどこか特殊な才能を持つ者だけに開かれているように見える世界を解説してくれています。
元セールスがカンヌライオンズで金賞を受賞し、国際的なクリエイティブディレクターにまでなった作者ならではの視点を提供しつつ、自伝的な側面もあって読み物としても面白いです。

本書では、「個人的な好き」の市場性を高めることで「共感」を広げることがクリエイティブの本質と述べられていると思います。事例の多くは、広告にまつわるものですが、企業で事業開発を手掛けるような場面でも、最終的に人を突き動かすには定量化できない「直感」から「共感」が必要になってくると思います。

人の「好き」にいかに作用するか、という考え方は、リコーのようなBtoB領域では特に理解されにくい考え方ですが、長く愛されるサービスを提供し、長期間のパートナーシップが必要になるBtoB領域でも必要な感覚ではないかと思いました。

誰かに自分の考えを伝えるとはどういうことなのか。考えを改める機会になると思います。

推薦者:武田

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

クリエイティブ領域の理解を深めたいなと思って手に取った一冊。
「アート思考とは何か?」「そもそもアートとどのように対峙すればよいか?」をワークショップ形式で学べる書籍です。既成概念を打ち破るとはどういうことなのかを、マティスやピカソなど有名なアーティストの具体例をベースに、分かりやすく教えてくれます。

「そこからどう思う?」「どこからそう思う?」この2つの問いは、本書の中で繰り返される、基本的なアートとの向き合い方です。美術館では絵と解説を行ったり来たりするしかなかった私にとっては目から鱗でした。

眼の前の作品をつぶさに観察し、特徴的なポイントについてその意味を想像する(=「そこからどう思う?」)
自分の直感が作品のどこに由来するのかを分析する(=「どこからそう思う?」)

これらの問いをきっかけに、アートの紐解き方や道筋、考え方をわかりやすく楽しみながら学んでいけます。書籍を読み進めることで、「アートを見る」というところから、「自分なり」のものごとに対する視点、「自分なり」の答えが導き出されていきます。

また、非クリエイティブな人にとっては、「クリエイティブってこういうことなのかも!」と理解の入り口になる一冊だと思います。アートや芸術、デザインなど、これまでクリエイティブなものに触れてこなかった人や、クリエイティブ領域に興味はあるけど何から入っていいかわからない人に特におすすめです。

推薦者:仲里

模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書

デザイン思考などの領域の第一人者であり戦略デザインファームBIOTOPE代表・佐宗邦威さんの書籍で、クリエイティブを「模倣(まねる)」「想像(えがく)」「創造(つくる)」の3ステップに分解して解説してくれています。例えば、模倣の中には「観察」というプロセスがあり、これはデザイン思考でも重要なプロセスの一つですから、デザイン思考のマインドに深く通じます。

一般的なビジネスマンであっても、提案書や資料の作成など、日々の業務の中にもクリエイティブな業務は多々あります。一見クリエイティブ領域とは遠く思われがちな、コミュニケーションや、ものごとを考えることなど、そうした日常にも新しい視点やヒントをもたらしてくれると感じますし、アウトプットの精度の向上につながりそうです。

センスはどうやって身につけられるのか?と疑問に思っている人、クリエイティブを簡単にスタートしてみたい人、デザイン思考ってちょっと分かりにくい…と感じている人におすすめしたいですし、事業を立ち上げるような人も学べることが多くありそうです。

推薦者:奥田

たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」

相手に対して質問をするときに、どういう質問をすればいいアウトプットが得られるのか?と考えているときに、コーチングの先生からおすすめしてもらった書籍です。

日本で教育を受けた多くの方は、問題や問いがあったときに答えるのは得意な一方で、自分で問いを立てるのが苦手という方が多いです。しかしながら、ビジネスにおいては自分で「問いを立てられるか」は非常に重要です。
特に、新規事業に取り組むのであれば、正解のない分野やこれまで誰も疑問に思わなかった課題に取り組んでいくため、答えだけではなく、そもそも問いすらもありません。よって、自分で問いを立てられないことにはプロジェクトを前に進めることができません。

そんな大切な問いづくりについて学校の教育の現場で取り入れられたプロセスを紹介してくれている一冊です。

内容としては、教育の現場で教師から質問して答えさせるのではなく、子供たち自ら与えられたテーマに対してどのようにして問いを作っていくのか?を実例と合わせて書かれており、問いの立て方に対しての新しいアプローチを習得できますし、与えられた問いに答えるのではなく、自分で問いを立ててその問いを解いていくというアプローチの大事さを感じられ、新たな気づきもあります。

新しいことをやろうとしている人、特に新規事業に携わる人にはおすすめの一冊です。

推薦者:林

フィールドワーク―書を持って街へ出よう

こちらはフィールドワーク(エスノグラフィや行動観察など質的調査全般)の定番となっている書籍です。

デザイン思考では「共感」が重要とされるように、体験価値を作るためには「モノ」起点ではなく「コト」起点で考える必要があります。

リコー社内でもインタビューを用いた質的調査が増えてきましたが、ただ声を聞くだけではユーザーのことを深く理解(=共感)することはできませんユーザーのコンテクストが複雑になっている現代では、社会や文化、人間の本質である一次情報に触れて考察する必要があると思って読んだ一冊です。フィールドワークとは何かということから実際の手法を学べるだけでなく、実際に外へ出て問いを探索することの楽しさを教えてくれる本です。

学術書のような一面もあるため万人におすすめというわけではないですが、質的調査を実施している方、フィールドワークの方法論を学びたい方、ユーザーをより深く理解したいと思っている方におすすめの書籍です。

推薦者:本村

ラディカル・プロダクト・シンキング イノベーティブなソフトウェア・サービスを生み出す5つのステップ

プロダクトマネジメントについて学んでいる中で、プロダクト ビジョンについての理解を深めたいと思って読んだ一冊。

プロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメントを実行する人に向けて、ビジョンを明確にすることの重要性と、そのための道筋や実践方法を紹介していくれている書籍です。実際のビジョンの作り方から、それを実行していくやり方、実行するためのテンプレートまでついているため、見よう見まねでいいから「まずはやってみよう」と、実行に移す後押しをしてくれます。

プロダクトマネジメント領域において、ビジョンについて詳しく言及されている書籍は少ない中で、その重要性をただ単に指南するだけではなく、体系立てた実行方法まで書かれていているので、とても実用的な一冊。

プロダクトマネジメントに取り組むために勉強し始めた人、実際に取り組み始めた人におすすめです。うまく進めるために何を作るのか?というところについて書かれている本なので、デザイン思考やアジャイルとセットで実行して、素早く試行錯誤しながらゴールに向けて取り組むとより良い効果が得られるのではないかと感じます。

推薦者:永田

デザインマネジメント論のビジョンーデザインマネジメント論をより深く学びたい人のために

デザイン思考とアジャイルを活用しながら組織が変革していくためには、環境をアジャイルにしていくことと、思想をデザイン的にしていくことの両輪が必要なのではないかと考え、手に取った一冊。デザインマネジメント論についての書籍は数多くある中で、その概念について深く学べる書籍です。

なぜデザインが必要なのかデザインはどんな問題を解決するのか。そしてそれは組織にとってどんな意味があるのか、そのためにどんな環境が必要なのか…。どうデザインを作って管理していくのか、その多様な考え方や手法を知ることができます

情報量が多く専門的な内容もあるので、誰にでも推薦!という書籍ではありませんが、デザイナーの方、日々何らかのデザインについて思考をめぐらせている方、組織変革に関わる方などにおすすめしたい本です。個人的には非常に面白く、4度も読み返しています!

推薦者:辻原


リコー「みんなのデザイン思考とアジャイル」チームメンバーがおすすめするビジネス書籍、いかがでしたでしょうか。
こうしてまとめてみると、デザイン思考やアジャイルをベースにもつ私たちが、日々どんなふうに学び奮闘しているかが見て取れるものになっている気がします。

どれも直接的ではないかもしれませんが、読むことでデザイン思考やアジャイルの学びを深められるものなので、気になった本があれば、ぜひ読んでみてください。

本noteではこれからもリコーの取り組みや、「デザイン思考」「アジャイル」についての情報を発信していきます。ぜひこのnoteをフォローして、私たちの最新更新を受け取ってくださると嬉しいです。

リコー公式note「みんなのデザイン思考とアジャイル」を、どうぞよろしくお願いします!

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