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【前編】実践者から学ぶ「組織が自律的に変わる・動く」ための仕組みとは?

こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営チームです。
私たちはデザイン思考やアジャイルの学習&実践の場として、セミナーやワークショップイベントを定期的に開催しています。

今回は「組織が自律的に変わる・動く」をテーマに、登壇者をお迎えし開催しました。

登壇いただいたのは、お客様価値向上に向けてこれからの営業のみらいを考える「みらいデザインLab.」の活動を推進するリコージャパン株式会社の青木 郁馬さんと、プロジェクト推進支援サービスを提供する株式会社Copilot 代表取締役の定金 基さんです。

おふたりにはそれぞれ、組織・チームの変化に向けた取り組み事例とその手法についてお話しいただきました。

変化の早い現代においては、組織や社会、お客様から求められる成果も日々変化しています。そんな中、自組織にも何か変化を起こさなければと思いつつ、なかなか新しい手法に取り組むことができない・効果的な方法がわからないなどの悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな方々に向けて、お二人の実践から得た学びやノウハウをたっぷりとお話しいただきました。皆さんが一歩踏み出すための参考となれば幸いです。 

前編ではリコージャパン株式会社 青木 郁馬さんによる「みらいデザインLab.で経験した変化する組織 正解のない課題へ向き合う組織の状態とは」についてお届けします!


デザイン思考の浸透が組織の変化へ

青木 郁馬 / リコージャパン株式会社 エンタープライズ事業本部 みらいデザインLab.
みらいデザインLab.発起人の1人。大手顧客の担当営業がメインの業務。
みらいデザインLab.では、ワークショップの企画、ファシリテーターなど、
さまざまな活動をしています。

みらいデザインLab.のスタートのきっかけは、リコージャパンが運営するViCreAたまち」の改善目的で、プロジェクトチームが立ち上がったことでした。

ViCreAとは・・・社内実践事例のご紹介を通してワークスタイル変革へのチャレンジをお客様にご体感していただく空間、「LiveOffice」です。自ら実践した成功事例や失敗談も含めた生のノウハウを提供し、お客様の価値創造へのお役立ちをさせていただく目的で運営されています。


青木さんを含めたプロジェクトメンバーは、まずオフィスの改善点を洗い出そうと、社員向けにアンケートを実施しました。

「会議室が少ない」、「殺風景」、「カフェコーナーや電子レンジが欲しい」…など、アンケートで寄せられた意見に対し、電子レンジを導入したりオフィスの5Sについて一生懸命に話し合う日々。改善に向けての取り組みは行いつつも、次第に「何か違うのでは?」「こんな改善でいいんだっけ?」という疑問が大きくなっていきます。そんなモヤモヤ感から徐々に参加しなくなるメンバーも増え、 チーム全体に閉塞感が漂っていました。

青木さんの紆余曲折を、感情曲線で表していただきました


そんな時、リコーデザインセンターの皆さんから、変化のきっかけとなる核心的なコメントをいただきました。

 「お客様はViCreAたまちに来て、どう感じるんでしょうか?」

顧客起点と言いながらも自分たちの意見ばかりだったことに反省し、まずはデザイン思考のはじめのステップである「共感」を大事にすべきだと、この言葉をきっかけに活動の方向性が変わっていきました。 

それからはリコーデザインセンターのサポートを受け、1年半で10回以上ものワークショップを行いながら、デザイン思考のマインドを叩き込んでいきます

ワークショップが進むにつれ、当初はなんとなく参加していた青木さんご自身も発言をするようになったり、若いメンバーが鋭い意見を言えるようになったりと、メンバーそれぞれの成長が組織の変化に繋がっていく様子を、身をもって感じられたそうです。

デザイン思考をベースにすれば、本音の議論が深まっていく


このプロジェクトはViCreAたまちのアップデートと同時に完了したのですが、世の中はコロナ禍の真っ只中になっていました。
今度は時代にマッチした「ニューノーマルなViCreAたまち」を考える必要が発生し、青木さんがリーダーとなって新たなプロジェクトが立ち上がります。

当初はリーダーとして正解のない課題に向き合うことや、メンバーの時間を奪うことへの不安があったそうです。しかしこのプロジェクトを通して、デザイン思考のマインドがメンバーの共通認識になっていれば、誰もが当たり前のように自分の意思を本音で言語化することができ、議論がどんどん深められるということを実感しました。

青木さん自身が「リーダーはただの管理人」と感じるほど、デザイン思考をベースに誰もが意思決定を行うことができる組織へと成長していきました。

全員で意見を出し合う様子


さらに今度は、上司のアイデアでお客様とワークショップを実施することになりました。社内でやっていたワークショップを初めてお客様先で実施したところ、大成功!
お客様に大変喜んでいただき、リコージャパンに良い印象を持ってもらえたことで、後の大きな契約にも繋がりました。

その後もお客様とのワークショップを重ねるうちに、「この取り組みを営業全員ができるようになれば、会社として大きく成長できるのでは」と考え、青木さん自らチーム作りに向けて行動を起こしはじめました。これが、みらいデザインLab.のはじまりです。

正解のない課題へ向き合う組織の状態


みらいデザインLab.ではまず、有志メンバー全員がデザイン思考を学ぶため、リコーデジタルアカデミーの協力のもと勉強会やワークショップを実施しました。さらに、 皆で成果を生む組織にするため、リコ芯TF(リコーを芯からアジャイルにするタスクフォース)からも支援を受け、全員で1分間のエレベーターピッチを実施したり、やりたいことを発言してもらう機会を多く設けたりしました。

その結果、皆がリーダーとなって自身のやりたいことに挑戦する雰囲気になり、現在はメインの活動の他に、以下の3つの新たな活動に挑戦をしているところだそうです。

そして「デザイン思考はあくまでひとつのツールに過ぎず、本質的には誰もが本音で話し、意思を表明して、やりたいことを言語化していく空気の醸成が大事」とも話していただきました。 

青木さんからは最後に、

「最初の1歩を踏み出すには非常に勇気が必要です。しかし私がそうだったように、周りを見回してみれば実は仲間はたくさんいます。この活動を通して、課題解決ではなくて“価値創造”を提供し、お客様に『なぜ』を問いかけられる営業になって、さらに会社を成長させていきたいなと思っています。」

と締めくくっていただきました。

本イベントは170名もの方にご参加いただきました。
終了後のアンケートでは、

デザイン思考がお客様のビジネス課題の解決やリコージャパンのビジネスへの貢献までできている点で、大きな成果がでていることに関心しました

具体的な取り組み事例なども写真も含めて共有いただいたこともあり、非常に分かりやすく同僚や上司などへもお勧めしたいと感じました

人の心を導く方法論的なヒントが沢山あり、どんな世界でも応用できそうな学びがあった

と、実際に取り入れてみたいというご感想をたくさんいただきました。

ぜひ、皆さんの組織が変化するための一歩を踏み出すきっかけとして、参考にしていただけると嬉しいです。

***

リコーでは組織全体でデザイン思考とアジャイルを取り入れた改革に挑戦中です。noteを読んでくださっている社内外の人たちと知見を交換できると大変嬉しいです。

これからも、デザイン思考とアジャイルの実践現場から、みなさんの役に立つ情報をお届けしていきます。
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